雑事

 予定通りに朝方にCL決勝のカードを観た。

 数字的な結果だけを観るとバルサの圧勝の感もあるが、どっちに転んでもオカシクナイぐらいの決勝としては久々の好ゲームだったと思う。

 マンUが勝つと予想していたので、予想は外れたことになる。バルサ相手なら、マンUの普段通りのフラットな4-4-2で中盤の真ん中二枚は長短緩急織り交ぜたパスを出せるスコールズと元バイエルン(バルサは一昔前のバイエルンを苦手としていた印象が強い)のハーグリーブスで臨むのがベターだと思っていたが、変則3トップを選択した挙句に、4-3-3(序盤)→4-3-2-1(中盤)→4-2-4(終盤)と迷走したのはらしくない。

 そして、中盤の編成に問題があったのを示すかのように、序盤こそ右を中心に(バルサの左シウビーニョのエリアから攻める)割と多彩な攻めを見せていたが、次第に前線が相手の最終ラインにピッタリ張りつき中盤からは浮き球のパスで相手の裏狙い(飛び出し狙い)一辺倒の攻めに傾倒していったのはイタダケナイ。中盤の細かなパスの正確性という点ではバルサの方が上(ゲームでも再現できないぐらいの正確さ)なのは明らかなので、多様性という面で勝負して欲しかったというのはある。

 誤算としては、バルサの最終ラインの統率が異常に良かった(ヤヤがオーバーラップしたシーンもあったが)こと。中盤のパスミスこそあれ(後半開始早々は足並みが乱れていた感がある)ど、最終ラインのミスはほぼ皆無であり、私的にボールタッチが比較的(バルサの中では)拙い印象のあるピケが焦らず落ち着いた(相手の動きを見定めた上で動けていた)プレーに終始していたのは大きかった。あのパフォーマンスを古巣のマンUでコンスタントに出せていればマンUは絶対に放出を認めなかっただろう。チャビとイニエスタはいつも通りなので取り立てて言うべきは無いが、中盤の底という重責を担ったセルヒに安定感を感じられたのは大きい。

 何を言いたいかといえば、マンUの編成に余計なアレンジが無ければ・・・、バルサの最終ラインがいつも通りの出来(良いプレーもするがミスもする)なら勝敗はひっくり返っていてもオカシクナイぐらいの試合だったと。

 マンUの戦い方にはクラブとしての哲学や(クラブの歴史への)プライドを感じることが出来るが、チェルスキーにはそれが全く感じられないと改めて思わされた試合だった。