サッカー観戦

 ミランのホームでのローマ戦を観戦しました。結果は2-1でミランが久々に勝利しましたが、この一勝が中長期的に考えるとマイナスに働くのでは?というぐらいに、内容に不満があり、結果に不信感を抱いてしまいます。

 先制したのはローマ、ミランの最終ラインでチアゴ・シウバがGKヂダに出した中途半端なバックパスをメネスに掻っ攫われ、ゴール隅に綺麗に決められました。前半を通して、メネスはチグハグな連携をみせるミラン最終ラインを何度か強襲し、前半が終わった段階では「一点しか取られなくて済んだ」ぐらいにキレていた印象。ミランの最終ラインと中盤の守備時の連携も相変わらずサッパリ(守備に人数を割いてますが役割分担が出来て居ないのか、穴だらけで簡単に縦パス一本で通されていたり等々)でした。

 対して、前半の我らがミランの攻撃で目立っていたのは右サイドのアバーテの独力突破ぐらい。ただアバーテはPA界隈までは行きますが、そこからが手詰まりといった具合。何度か良いクロス(アーリーはカットされがちも、逆サイドに上げたクロスは受け手次第では一点ものだったかと)を放ってましたが、前線がパトとホナウジーニョでは活かすのは難しい。逆に、左サイドはホナウジーニョはボールロストが目立ち、セードルフ閣下も前のホナウジーニョと動きが被ったり、意思疎通が出来て居ないのかパスの出し所に困って仕方なくバックパスというのが多かったかなと。

 後半、ミランは前半の湿りっぱなしの攻撃陣の中で唯一輝いていたアバーテを下げてピッポ投入で3トップ化。負けているのだから、組合せ考えずに、前線の枚数増やしましたというしか思えない采配は監督としての手腕を疑う。そして、後半から主審のロセッティのスイッチが入ったらしく、カード乱発で試合終了までに計8枚(後半は7枚、赤紙含め)のカードが切られました。そんな中、試合の流れとか関係なく、不可解な判定(彼方此方で物議を醸し出してますが、自分の目にもあれでPKが与えられるのはオカシイと思う)でミランにPKが与えられ同点に追いつく。その辺りから、ローマのモチべが落ちたのか前半とは全くの別チームになってきました。最終ラインの統率も雑(右のカセッティが前がかりになり過ぎ)になり中盤でのパス交換も雑になり、良い形でPA内に攻め込んでも冷静さを欠いて自らチャンスを潰してしまった印象。

 後半の半ば頃にカセッティが空けたスペースにホナウジーニョがロングパスを放り込み、それをパトがトラップしながら相手DF一人を抜き去り、前に出過ぎていたGKドニの判断ミスもあってかほぼ無人状態のゴールに流し込んで勝ち越しと。この一点に関しては、ローマの最終ラインの統率ミスもありますが、ホナウジーニョのパスが良かったのは認めざるを得ません。後半のミランピッポが良いヘディングシュートをみせるものの、ゴール前に居たピサーロにクリアされるという不運、縦ポンパスにパトが走りこみ、GKと一対一というチャンス(トラップミスで潰す)もあったりしましたが、正直、このレベルのチームらしからぬ戦い方(プレミアの下位チームの戦い方に近いものを感じる)には不満が残ります。

 逆転されたローマはオカカ(←ブチニッチ)、グベルティ(←タッディ)、野獣(←メネス)と次々と投入。ミランも80分の段階でアンブロさん赤紙退場に伴い、ホナウジーニョに代えてフラミニ投入。人的優位に立ったローマはグベルティに当てて、オカカと野獣がひたすらフリースペースに走ってパスを呼び込もうとするも引き気味になったミランにパスコースを切られ、オカカと野獣はあまり活きていない。だがサイドに入ったグベルティが抜群のボールキープで短時間に何度も切り込み、シュートまで持って行ったのは脅威を感じたものの、スコアは動かず終了と・・・。

 二点目を生み出すパスを放ったホナウジーニョを賞賛する声が多い。確かに無駄なボールキープ、ドリブル突破を仕掛けずにパサー(ボールを受けたらボールタッチは少なめにしてフリーの選手にパスを出すことだけに専念)として徹するのであれば、「使える」見込がたつのかもしれません。ただやはりセリエよりはリーガ向きの選手なんだなと思わざるを得ませんし、良い条件のオファーが届くのなら売却しても良い(ホナウジーニョを組み込むとチームとしてのパフォーマンスが安定しない)選手だと思います。

 試合を終えて、ミラン贔屓の人間としては、久々の勝利は喜ばしいことなのは認めますが、それ以上に今のミランに今後の伸びシロを感じられない、このままグダグダと手を付けずに現政権を引きずって良いものか?と不安にならざるを得ないです。スコア上は2−1の勝ちとなってますが、やはりミランが同点に追いついたPKの判定には疑問を感じざるを得ません。そして、相変わらず、レオナルドの目指しているスタイルが見えてこないです。