サッカー観戦

 とりあえず、戦前のスタメン予想を漁ってみました。例によって、キエーボだけ情報が見つからないのでミランのみ。

GK ネルソン・ヂダ

RB マッシモ・オッド
CB アレッサンドロ・ネスタ
CB チアゴ・シウバ
LB マレク・ヤンクロフスキ

RCM マシュー・フラミニ
CM アンドレア・ピルロ
LCM クラレンス・セードルフ

RW アレシャンドレ・パト
ST クラース・ヤン・フンテラール
LW ホナウジーニョ・ガウショ

 以前、馬鹿ハゲ、もとい伊首相が「私なら・・・」と選手起用法でマスコミ相手に持論をぶちまけていたのと全く同じ編成であります。

 レオナルドの意図としては、可能な限りは敵陣で試合を展開できるようにしたい(=速攻をしかけたい)というのと、両サイドバックの攻撃参加を助長させたいのかなと思います。中盤にアンブロさんとガッちゃんが居ない(予想ではベンチにも入っていない)のは怪我や累積疲労もあるかもしれませんが、兎に角速く前にボールを運びたい(両選手共に守備に関しては多大な貢献をしてくれますが速い展開を作りたいのであれば不向きだと思う)というのがあるのかなと。ただ両サイドバック(どっちも守備よりも積極的な攻撃参加が売りの選手)の攻撃参加を助長させたいというのと中盤の三人の組合せ(比較的守備に長けた選手はフラミニだけ、ピルロと大統領閣下の本職=元々のポジはトップ下であり、DFのオーバーラップで空いたスペースを埋める動き等々の守備には多くは期待できない)は相反する気がしなくも無いです。

 前線の三人の組合せは、この三人を(馬鹿ハゲの意向で)一緒に使わなければいけないのであれば、このように配するしか無いとは思います。中盤の組合せも、ピルロを使うのであれば(本当はバルサのようにピルロの位置には運動量豊富で守備を頑張りつつ、組立も出来る人が良いのですがそれは無いもの強請り・・・)これがベストなチョイスかもしれません。問題はサイドバックが攻撃参加した時に中盤の選手がどれだけカバーしきれるか(スペースを埋め切れるのか)というのと、後半途中(ミランは65分過ぎ位にガクっと中盤以下の運動量が落ちる)からはどのように乗り切るか、そして、サイドバックがオーバーラップしても、前線の連中と動きが被らないか・・・だと思います。

 既存のミランの戦力で、可能な限りの攻撃的な編成を組んだら↑の編成にはなりますが、(攻守に渡る連携面と前線と中盤の連中が互いに良い部分を引き出しあえるか)上手く噛み合いさえすれば良いんですけどね・・・。お隣さんも昨シーズン含めて、何度も4−3−3(会長殿が前線の選手ばかり獲得してくることもあり)を試みてましたが、3トップとしては全く機能せずに実質は4−5−1になっており、前線の換えの利かない選手(=ズラタン)が欠場したり、不調だったりすると目も当てられないぐらいに酷い試合をしていた記憶が・・・。

※試合内容

 前半早々に絶妙なGKジダの頭上を越え、逆サイドに上げたクロスに合わせたピンツィが冷静に押し込みキエーボが先制。この失点に関しては、GKの責任ではないですし、強いて挙げるとすれば、ピンツィへのマークを怠ったオッドのミスなのでしょうが、純粋にクロスの軌道が素晴らしすぎたのとそれを冷静に決めたピンツィを褒めるべきだと思います。

 前後半を通じて、ミランは相手陣内で展開させ、PAの前まではすんなりとボールを運びますが、そこから先へは全く進まない。サイドバックがオーバーラップし、PA内にクロスを放り込んでも前線の三人が同じような動き(三人が三人とも一点で受けようとしている)をして互いに足を引っ張り合ってしまい(互いの良さを消し合っているといった方が良い)点に繋がる気配が全く感じられない。その最たる例が、後半に右から上がったアーリーに対し、三人が一直線に並んだ上を通り越し、無人のサイドへ流れてしまったシーン・・・。

 前線の三人は選手としては皆一級品なのは認めますが、三人が互いに良い部分を消し合ってしまっていた感が否めません。この三人ですと、打点が高いフンテラールを可能な限り、中央に貼り付けて、両ウイングは真ん中を経由点にしてPA内で相手をかき乱す動き(90年代中盤のアヤックスのような最前線での展開)をしてくれたら、三人が三人とも活き、結果も出せると思いますが、現時点ではそれが出来ていない。一本のパス(かなりリスキーな)で決定機を得ようとするし、作り出そうとしているようでは引いてガッチリ守った相手には厳しいと思わざるを得ません。

 試合は80分過ぎに、良くて引き分けに持ち込めるか(その時間帯ぐらいから自身もリーガの試合のテキスト観戦と並行してましたw)・・・と思ったぐらいの時間帯から、ネスタがセットプレーで二点を奪取し、奇跡的な逆転劇で終えました。後半途中にフンテラールホナウジーニョが下がり、ボッリエッロとピッポの両者が揃ってからの計10分強の時間は前線でのボール回しに無理も無く、惰性で回しているわけでも無いで良い形になっていたかと思います。

 試合には勝ちましたが、問題点は攻守に渡ってのチームとしての練度の低さ(ついでに前線の三人は時には主役に時には引き立て役にならねばならないのにそれが出来ていない=3トップとしては機能していない)だと思います。選手の構成に問題があるのは重々承知ですが、この面子でも練度を上げることで、「名門」の名に恥じない結果と内容(稀に良い試合をするのではなく、継続的にある程度のパフォーマンスを出す必要がある)を出せる可能性は否定しません。それ故に、レオナルドには練習内容の根本的な質の向上(公式の情報によると、ブラジル代表のトレーニング形式ほぼそのままの内容で練習しているようで)を求めたいものです。

 試合後に公式発表(LBの先発がアントニーニというので何かあったとは思ってましたが)されましたが、ヤンクロさんが練習中に左膝の故障が再発したために戦線離脱、手術を受けなければいけないらしく、暫くは起用できないそうです。左は本職ではアントニーニ、ファヴァッリ(最近はCBのイメージですがw)、カラーゼ(同じく)、右と兼用でザンブロッタと頭数は居ますが、将来の為には冬に左右一人ずつ(完全な素材型よりも今後も成長が見込める若手)は確保しておいた方が良いかもしれません。