サッカー観戦

 昨日は日中グダグダになったので二試合連続観戦は諦めて、ミランマルセイユの一戦だけにする。

スタメン編成

ミラン

GK ヂダ

RB マッシモ・オッド

CB チアゴ・シウバ

CB アレッサンドロ・ネスタ

LB ジャンルカ・ザンブロッタ

RCM マッシモ・アンブロジーニ

CM クラレンス・セードルフ閣下

LCM アンドレア・ピルロ

RW アレシャンドレ・パト

ST マルコ・ボッリエッロ

LW ホナウジーニョ

マルセイユ

GK マンダンダ

RB ボナール

CB ディアワラ

CB ガブリエル・エインセ

LB タイニオ

CDM ルチョ・ゴンザレス

RM アブリエル

LM ベノワ・シェルー

CAM エドゥアルド・シセ

RS ブランドン

LS ニアン

 両チームとも違和感を感じます。ミランピルロが定位置のCMではなく、左側に配置され、中央は元々の本職の閣下が務める。マルセイユは本来はボランチか右サイドの筈のエドゥアルド・シセがトップ下(若干引き気味ではあるけれど)と。

 ミランのスタメンにはネスタが名を連ね、戦前予想では大事を取ってベンチスタートが濃厚とされたボッリエッロもスタメン。マルセイユは編成の人員を見る限りは攻撃よりも守備に比重を置いた「らしくない」編成であるも、前線のブランドンの高さとニアンの速さは恐ろしい。

 前半開始。マルセイユは受身姿勢で実に「らしくない」。ポゼッションが低いのはまだしも、クラブのスローガンの「前へ」の姿勢があまり感じられない。受けて守って、前線の二人任せといった感じ。ミランは至って普通。前半11分、マルセイユの空けた右スペースからボッリエッロがドリブルで切り込んでゴール左隅に冷静に決めて先制。GKの責任というよりは、CBとCDMの誰もチェックに行っていなかったし、周りの選手もスペースを全く埋めずに定位置を保っていたのが良くない。先制に気を良くしたのかミランの中盤が前のめりになり過ぎていて最終ラインとの距離が空き過ぎている気がする・・・・。前半16分、PA内で縦パスを受けたニアンが苦し紛れにヒールで上げたクロス→ヂダが弾く→後方のルチョの足元に→そのまま振り抜いて同点。中盤と最終ラインの間のスペースが空いた所を突かれた格好。前半30分前にオッドが相手GKマンダンダと交錯して負傷→アバーテinで攻撃のバラエティは増えるかもしれないが、守備の不安が増す。マンダンダも膝を抱えているが交代カードは切られず。ミランの攻撃が淡白になってきた一方でマルセイユは前線の二人へのロングパスが通ればそこから更に展開(中盤の押し上げもあり、ショートで細かく刻む)し、いつの間にかボールポゼッションも逆転しているし、ややマルセイユが押し気味にも思える。マルセイユは前線の二人に運びさえすれば、攻撃の選択肢、厚みも多く、GKを強襲するシーンまで進むが、ミランは中盤から相手最終ラインの裏狙いのロブが目立ち、幾度か決定機(前半37分のパトのループ等々)を迎えるも枠を捉えきれていない。スコアは動かずに前半終了。

 前半終盤にはマルセイユの両CBに粗さと荒さが出てきたので、そこを突ければ点は入りそう。ミランは前線の左側があまり機能していない。もっぱら中央→右で展開させている印象。前線は空きスペース狙いのピッポも良いが、CBの粗さを突くならフンテラール(楔役も務めてくれるのなら)も悪くない。中盤はいつも後半15分過ぎにはアンブロさんの運動量、動きの質がガクっと落ちること(今日に限っては中盤の守備はアンブロさん頼りでいつもより負担は重い筈)も考えて、もう一枚ぐらい守備に長けた選手を増やした方が良いかもしれない。

 後半開始。双方交代はなし。ミランは相変わらず左側の攻撃は全く機能していない。ホナウジーニョはボール持ったら無駄に捏ねずに早々に味方にパス出しすれば良いのにキープしてパス出しの機会を逸する→そのまま奪われるというシーンが多い。右もパトが強引(直線的)にシュートまで持ち込もうとはしているがイマイチで流れを変えないとこのまま同点で終わってしまいそうな気がしてきた。ボール支配だけをみればミランが押している様にも見えるが、実際は良くて五分五分、決定機だけ(最後に精度を欠いてくれているので助かっているがw)ならマルセイユの方が多いかもしれない。67分、マルセイユが先に動いた。ルチョ→バカリ・コネで布陣も3トップに移行してきた。エインセが前半とは打って変わって効き出し、ディアワラの粗さ(ハンドを見逃されたりといった幸運もあるw)を補って余りある働きをみせている。73分、またもマルセイユが動く、疲れの見えるニアンに代えてベン・アルファ投入、ミランに動きなし。疲れの見えるボッリエッロや全く効いていないホナウジーニョ辺りを変える気は無いのかね・・・。ホナウジーニョが良いクロスを上げるもボッリエッロのヘディングは枠を捉えきれず・・・。84分、マルセイユがベノワ・シェルーに変えてモリエンテス投入。直後にCKからディアワラのポスト直撃のヘッド・・・危なかった。結局、スコアは動かずに1−1で試合終了・・・・・。

 マルセイユはチャンスは多く作るものの、フィニッシュの精度を欠いたのが大きな問題。ミランは先制点を挙げたまでは良かったが、それ以降は中盤と最終ラインの距離が空きすぎたり、近すぎたり両極端になり過ぎたこともあり4−3−3として全く機能していなかった。前半終了時点で明確に課題が露呈しているのに、「流れ」を好転させる為(マルセイユほどの大胆なシフト変更は難しくも)の交代カードを切ろうとせずにただただ傍観しているだけの姿勢には戦前の発言とは裏腹の「引き分け狙い」の消極的な采配に見えた。