サッカー観戦

 クラシコはながら観で終えてミランカターニアの試合は後半から観ている。

スタメン編成 4−3−3

GK ヂダ

RB イグナツィオ・アバーテ

CB アレッサンドロ・ネスタ

CB チアゴ・シウバ

LB ジャンルカ・ザンブロッタ(→66分 アントニーニ)

RCM マシュー・フラミニ(→84分 フンテラール)

CM マッシモ・アンブロジーニ

LCM クラレンス・セードルフ閣下

RW アレシャンドレ・パト

ST マルコ・ボッリエッロ(→73分 インザーギ)

LW ホナウジーニョ

 あくまでも後半開始時からの感想ですが、一見しただけでミランは攻撃時の連動性に欠けている。攻撃の人間と守備の人間が完全に役割分担されており、点を奪われそうなピンチにはあっていない(サイドから抉られることも少ない)けれども、決してチームとしての守備(両CBは良い動きをしているけれど)が良いわけではない。人員がほぼ完全役割分担に近い状態なので、4−3−3などという全体の連動性がモノをいうシステムが機能するワケでもなく、攻撃時はつい先日のバルセロナと対したインテルに同じく、前に行くほど中央に絞り過ぎている(両Wがサイドのフリースペースを活用せずに直線的にPA内に突貫することしか狙っていない)+中盤以下のサポートが少ない(スペースを埋める動きが無い)→必然的に淡白で厚みの無い攻撃(ほぼパターン化)に終始する。相手のカターニアとしては、ゾーンで守って跳ね返すだけで淡白な攻め(周りのサポートが少ないボールホルダーはパスの選択肢が少ない環境にあるので)を良いので比較的楽に守っている。

 ミランは後半の終わりがけに攻撃的な交代カードを切りまくっているけれど、単に攻撃に長けた選手をピッチ上に増やしただけ(前線右側に人員が偏りすぎて窮屈にみえる)にも観えなくない。アントニーニ投入後に左から抉られているのが心配でもある。

 93分に中盤から前線に放り込んだボールをフンテラールピッポに頭で流す→絶妙なバックパス(結果的にワンツー)→フンテラールがダイレクトボレーで相手GKの手をかすめながらもゴール左隅に決めて先制!

 95分、前線でパスを受けたピッポが激しいチェックに遭いながらのバックパス→フンテラールが一度切り返して(くるっと回りながら)ループ→GK呆然の二点目!

 そのまま試合終了。フンテラールが短時間でドッピエッタ達成での勝利。タイプ的にピッポとは合わないとの評価が下され、同時期用が少なかったフンテラールがまさかのドッピエッタ(ピッポが2アシスト)というのは驚きである。相変わらず、シュートだけは抜群に巧い。

 総評としては、ミランは全体の連動性に問題がある(中盤にスペースを埋めるという地味ながらも必要な動きをする人間が居ない)のは間違いない。レオナルドの交代カードの切り方には相変わらず疑問を感じる部分が多いのだけれども、結果的に数多居る批評家の偏見(前線の組合せ論争)を覆してしまったのだから驚いてはいる。守備に関しては、カターニアの攻めがイマイチな部分はあったけれども(ミランが数的不利を負う展開を作れていなかったこともある)、両CBの抜群のパフォーマンスに尽きる。攻撃に関しては、直前にクラシコバルサの4−3−3(今日に限ってはイマイチでも)を観ているからか連動性が全く無かったのが寂しい。結果的に勝利したものの、現行の4−3−3は代えの効かない二つのポジ(RWのパトとLWのホナウジーニョの代えの選手がベンチはおろかベンチ外にも居ない)の人間の出来に全てが委ねられてしまうのだから困ったもの。特に波の激しい選手は惰性で使い続けるのではなく、スタメンから外して別の人員を起用するぐらいしても良いと思う。

 ベンチの人員を見たところ・・・、怪我で長期離脱していたディ・ジェンナーロがようやく戻ってきたようである。4−3−3のシステムだと起用される機会が少ないかもしれない(強いて挙げればW起用しかない)がレッジーナ時代のイメージそのままだとダイヤモンド型の頂点に据え観てみたい。